二式複戦 屠龍(丙型)への思い

(まえがき)

完成品の説明の前に、本機への思いを少し・・・

単純に組み立て指示書通りにこつこつ作るのも楽しいけど、思いを巡らし、思い入れを持って作るのも
楽しいです。


本機は山口県の小月基地所属の飛行第四戦隊、第二中隊所属の 木村准尉の搭乗した機をモデル化したものです。
小月基地所属の屠龍は北九州芦屋基地の飛燕とともに、北九州八幡製鉄所他の軍需工場に爆撃に来るB-29を
迎撃していたと・・・

北九州はわたしの第二の故郷、芦屋基地は今も航空自衛隊の基地があり、
基地外の海辺で子供の頃よく、泳いだり、釣りをしていました。キスというきれいな銀色の魚で、天ぷらにして食べると
美味いです。 釣りたてをさばいて刺身も美味しかった♡

また、芦屋基地は一時期ブルーインパルスの震災で松島基地からの避難基地?
自衛隊の第三術科学校でここの元基地司令さん(基地の隊長さん)とは、防衛営業をしていた頃、お世話になりました。
 とても豪快な、如何にも航空自衛官らしい、礼儀正しい方でした。

同じ国家公務員でも霞が関のキャリアに比べ、自衛官はどなたも気さくで親切、礼儀正し良い、話をしてて飽きない
従って、商売抜きで基地に入り浸ってました(笑) 話がそれちゃってますが(笑)

さて、小月基地所属の樫出パイロットはB-29を6機も撃墜したという話です。
B-29は通常の7.7mmや12.7mm機銃ではなかなか墜ちず、旧日本陸軍は37mm戦車砲を改造して
この屠龍の機首に装備し(これが屠龍 丙型)、一発必中で、B-29を迎え撃ったと 陸軍は軽戦車「テケ」などで
戦車砲はおてのもの・・・

さすがのB-29も戦車砲を食らえば、一発でこっぱみじん、樫出パイロットも一発で、B-29、スーパーフォレスト
ローバーボーイズ号を撃墜し、パラシュートで脱出した若き搭乗員ハローラン氏は捕虜になり、 辛い獄中生活を

終戦後、樫出氏とアメリカで運命の再会をしたとか・・・なんか、良いですね♡「永遠の0」のラストシーンみたいで・・・

長くなりますが・・・

この屠龍(キ45改)の設計者、土井技師は、わたしの亡父の搭乗していた、九九式双発軽爆撃機(キ48)の設計も
手がけていて、それをベースに改良を施し、屠龍をキ45改として完成させ、軍に正式採用されたと・・・

屠龍は、99軽爆と形が良く似ていて、この機体を見ていると、父の昔話を思い出します。
「風立ちぬ」で有名な零戦設計者の堀越さん以外にも、当時の日本には優秀な航空設計技師がたくさん居たんですね!

尚、屠龍とは字如く、「龍を殺す」の意味で、中国の逸話「龍をやっつけるため、術を磨いたが、結局龍は現れなかった」から
しかし、龍(Bー29)は現れ、見事、屠龍す!

さて、長い前置きはこの辺で・・・

イザ、屠龍出陣! 富士山の遙か上空を迂回して北九州方面に向かう、B-29めがけて・・

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完成品の外観です。

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今回のキットのきもはやっぱり、このみみずがのたくった様な、蛇行迷彩です。
本キットは約5年前に購入して、製作に踏み切れなかった理由でもあります。

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どのように、この蛇行迷彩をするか?かなり悩みました。

細吹きのエアブラシでもちょっとムリ(細吹き出来る高級なエアブラシはもっていない、唯一あるのは、20年間使いこんだ
タミヤのベーシックエアブラシ・・・(-_-;)、筆ではムラが・・・、型紙でやるしかない!


この塗装例が実機を正確に再現してるかどうかは不明ですが、きっと整備兵が上官の指示で、アメリカ軍機に見つからないように
一生懸命塗ったのでしょうね、その思いをこめて・・・

でも説明書の塗装例だと、吹きつける濃緑色の面積が圧倒的に多く、型紙が形にならない!

最初型紙を間違って、残す灰緑色の部分を抜いてしまって・・・・、これだー! (失敗は成功の素)
灰緑色の部分なら型紙が出来る、しかし逆パターンが出来てしまう!

そこでじーさん、考えた!(笑)

ネガ型紙を作り、マスキングゾルを先ず、塗り、その上から濃緑色を吹けば出来上がる筈だ・・・・

早速、試作(この辺が元技術者根性(笑)) 

おー、けっこう、いいじゃん! 号が旧字のとこがこだわり(笑)
 
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型紙を塗装面に載せただけだと、マスキングゾルが裏面に回り込んでうまくマスクできない!
トレーシングペーパーにマスキングテープを貼り、切り抜き、トレーシングペーパーを剥がすとテープの粘着力で
塗装面に張り付く。

しかしトレぺにマスキングテープを貼ると、剥がす時にとっても大変、テープの粘着力を下げるため、テープに鼻の油を
塗ると剥がしやすい。(これが本当の鼻の油(笑))

あとは、根気と集中力あるのみ!
あんずねーさん、くるみ他、ワンコを余興でたくさん入れて見ましたが、分かるかな? ザウルスも・・・(笑)

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気の遠くなるような作業でしたが・・・・何とか
機体上面だけなのが、わずかな救い(笑)
主翼を4分割、胴体を4分割して型紙を作り、徐々にマスキングしていく・・・・


ここから10日程は毎日、切り絵細工(笑)


全面にマスキング完了!

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セミの抜け殻(笑)

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と言う、感じで、あの蛇行迷彩を再現しました。

やはり、型紙の裏側にマスキングゾルが回り込み、型紙よりゾルがはみ出て、塗装例よりやや濃緑色の面積が少なく
きれいな曲線蛇行パターンに成ってませんが、これはこれで、味がある(自己満足)(笑)

型紙作成、マスキングゾル塗布が10日で、塗装は半日で終了(笑)

なお垂直尾翼の小月基地マークと各種注意書き、プロペラの帯以外は全て塗装しました。
 
今回のキットも前回の1/32鐘馗同様、前面にリベット跡を出来るだけ図面に忠実に打ち込みました。今回は1/48とスケールが
小さくなっているので、専用にリベットを打ち込む治具を作りました。

残念ながら蛇行迷彩に目を奪われリベット跡は目立ちませんが・・・(笑)


細部の紹介
 
<コックピット周り>

コックピットはキットのデカールで 、良く出来たデカールです、「デカールを使用する時はモールドを
削って下さい」と書いてあるけど、折角の素晴らしい凹凸、モールドの凹凸は削らずに・・・密着させるのに苦労しました。

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デカール貼りは一発勝負なので切らないように慎重に・・・・
貼った後、てかり防止で、艶消しクリアーを吹いてます。

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無線機も

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コックピット内、銘板も・・・(笑)自作  さすがに、メーカー名や型番の文字までは描けません(笑)

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反対側、ちょっとういちゃってますが・・・(笑)

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悲しいかな、組み立てると、ほとんど見えなくなる・・・(-_-;)

<後部98式7.7mm旋回機銃、通信アンテナ>

後部座席、98式7.7mm旋回機銃は上下方向に可動するように、照準器はキットのモールドは見るに耐えないので
銅線自作しました。

アンテナ線は0.5号ヘラブナ釣りのハリス(ちょっと腰の強いセラミック加工ナイロン繊維)
アンテナ支柱への取り付けは、アロンのちょん付けではテンションかけられないので、薄いプラ版を貼り付け△の
パーツを作り、張り合わせ部にドリルで穴を開けて、糸を接着してます。


枝分かれ部も、ちょんずけではなく、得意のラインワーク、漁師結びの、枝針結びで・・・(笑)

後部垂直尾翼のアンテナ線接合部もちょん付けではなく、貼り合せの隙間に穴をあけ、そこに通し、接着してます。


<キャノピー(風防)>

キットは閉状態と駐機、部分跳ね上げ式の跳ね上げた開いた状態を選択でき、今回は駐機、開状態を選択しました。
微小蝶番を作り、可動出来るようにしてみましたが、蝶番が実感を損ねるので、泣く泣く、接着しました!


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<100式光学式、反射式射撃照準器>

前回の鐘馗で積み残した、コックピット内の100式光学式反射式射撃照準器(軍人さんは式が好きですね(笑)
も、キットのパーツはあまりにも貧弱なので・・・自作しました。

透明反射ガラス板、フィルター(ネオファンガラス板)、照準器(反対側で見えませんが)
電気コード、プラグは省略、ハーネスの一部は作りました。 (ちょっとオーバースケールですが(笑))

この辺の細部は、ヤフオクで入手したMODEL ART No 746のイラストを参考にさせて頂きました。ありがとうです


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<エンジンカウルフラップ>

離着陸時、機体スピードが遅い時のエンジン空冷効果を高めるため、エンジン排気管外周のカウルは
分割されて、開状態にしていたと・・・

キットの該当部位はモールドで溝が掘られた閉状態、カウルの厚みは1mmもあり、単純に溝を切って
開状態にしたのでは、実感を損ねるため、両側面のフラップは切り、0.2mmのプラ板で分割フラップを自作しました。

これは、想像で(実機の排気管の資料がなかったので・・・)エンジン排気管をフラップの隙間からチラッと見せたかったので(笑)

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<ハ102 星形エンジン(瑞星エンジン)>

複列14気筒の星形エンジンです。キットは各エンジンの冷却フィン、前面の循環式潤滑油冷却装置等
良く再現されています。複列エンジンが一体パーツで、点火プラグコード、エンジンの構造フレーム、単排気管の外周、各
エンジンへの配管などが省略されています。

排気管、点火プラグコードは想像で自作しました。

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排気管はカウルに干渉しない程度に・・・余りランナーをドライヤーで温めつつ丸く曲げました。
反対側は、めんどくさくなり、ポリパテ粘土を丸めて・・・



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塗装前の機体に組んだとこ・・・こちらの方がカウルフラップの開状態が判るかな?

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しかし、機体に組み込むと、ほとんど見えなくなってしまうので・・・・
エンジンカウルは接着せずに、はめ込んだだけにしました。

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<主脚まわり>

キットだけで十分に細部が再現されていますが、MODEL   ARTのニチモ製屠龍の作例で、タイヤの中央部に配管された
ブレーキパイプを参考にエナメル線で追加、ついでに、主脚への固定ハウジングも銅板を細く切って・・・(笑)



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ディテールアップはやりはじめたら、きりがないので、今回はこの辺で・・・
ウエザリングもしていません!

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不思議そうに見つめるシスターず(笑)

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<キットレビュー>

と言えるほどうまくないのですが・・・・気づいた点を何点か・・・

モールドの出来、合いはタミヤに劣らず、完璧です。良く出来たキットだと思います。

但し、主翼フラップラインと胴体のラインが合わない(段差が出来る!)これは何人かのモデラーが指摘しているので
わたしの作り方ではなく、キットの問題です。これをハセガワトラップと言うそうです。(笑)

木を見て、森を見ずの様で、細かいパーツの合いは完璧なのに残念です。敢えて修正しませんでした。(裏側で見えないし(笑))
分割で設計すると、こーゆー事が起きることは設計者として、経験してます。

ハセガワ設計陣の全体の調整役の力不足かな?(笑)

星形エンジンの再現性にもうすこし、こだわって欲しかった。カウルを被せば、所詮見えなくなりますが、

コックピットは機体を組んだ後から入れられるように・・・・、1/32紫電改ではこの方式でタミヤさんも・・・パテントとかの問題が
あるのかな?

これで、樫出パイロットと同乗員のフィギュアを竹一郎さんに原形造形してもらい、同梱すると素晴らしいキットに・・・


今回もパーツの破損1、紛失2回(2回脱走犯はゴマ粒より小さな胴体下部の信号灯(しかも透明のクリアパーツ、
2回目で奇跡的に見つかって、結局、自作のパーツを使い、脱走犯は記念に・・・(笑))

<お礼>

最後に成りましたが、今回のキット製作に先立ち、ヤフオクでMODEL ART No746 2008 Aprilを購入しました。
ヤフオク初めての入札で、二重入札、キャンセル、等失敗の連続で、好意的な出品者様のアドバイスを頂き事なきを
得ました(笑)感謝致します。

MODEL  ART 大変参考になりました。このキットの出る前の号なので、蛇行迷彩のパターンが違っていましたが
プロの方の作例や、コックピット周りのイラストも大変参考になりました。

この場を借りて、お礼を申し上げます。


参考文献、資料

MODEL   ART No 746 April
Scale Aviation NOV 2009 





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[ 2014/03/01 06:44 ] 日常の出来事 | TB(0) | CM(1)

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[ 2014/03/10 11:03 ] [ 編集 ]

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